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「ロズウェルなんか知らない」なんて知らなかった!
ロズウェルなんか知らない-1
篠田節子の「ロズウェルなんか知らない」を読みました。
図書館で何気なく借りて、当然UFOのロズウェル事件の本だと思って読み始めたのですが・・・「町おこし」の小説です。
それも日本の・・・。
あまりに予想と違ったので腰くだけになりました。

普通はここで返却するんでしょうが、暇だったので我慢して読んでみました。
タイトル通り(?)ロズウェルは関係ないですが、UFOは関係大です。

首都圏に比較的近いけれど、何の名物・見どころもない交通の便の悪い田舎での「町おこし」が主題です。
題材自体が小説として地味なんですが、登場人物も疲れ気味の中年から老人が中心です。
なんて言うと盛り下がりますよね。
でも・・・この本、ハッキリ言って面白い。

簡単に言うと、生真面目で小心で廻りを気にしてばかりの田舎者達のシッチャカメッチャカな顛末記です。
どんな人達でも追いつめられると、面白いことができる可能性がある、ということでしょうか。
読むと元気も出ます。

この小説、とても良くできていると感じました。
まず登場人物に、いかにもという人(ヒーローやリーダー)がいません。
よくあるわざとらしい成長物語や恋愛物語ではないのです。
全員そこいらにいそうで、小さいことで悩んでいて自分のことで精いっぱい。

そしてその平凡な人達の心情・心の動きがうまく表現されています。
誰もが、すぐに気持ちが移ろいふらふらして足並みがそろわず打たれ弱い・・・人間らしさがあります。
けれど、時々思わぬ人が思わぬ瞬発力を出したりもして、「おおっ」と感じさせます。

また、著者が色々な事柄(分野)に関して、よく調べて書いているように思いました。
そのディテールの積み重ねが、おバカな話に現実味を与えているのです。
若い女性や役所の人に対する厳しい見方などは、作家自身の体験からくる部分もあるのかもしれません。

この本は、「町おこし」という今でも難しく失敗も多いテーマを、冴えたエンターテイメントとして我々に投げかけているのです。
それも変化球で。
文中の会話のキャッチボールがなんとなく可笑しいのも高得点です。
「町おこし」の実情や方法論の参考資料にもなりそうです。

映画かTVドラマに向いてるとも思いましたが、「県庁おもてなし課」や「鹿男あをによし」や「1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター 」みたいに、いかにもな脚色をつけると台無しになりそうな気もします。
(もうドラマ化されたことがあるのか知りませんが)本だけでいいように思いました。 

僕は大学で建築を専攻しましたが、街並み計画の研究室にいたので、この手の話に興味が無い訳ではありません。
それで読み続けてみたんですけど・・・
こんな町が本当にあれば、一度行ってみたくなるかもしれませんね。
(ムー民じゃないんで)一度だけでいいですが。

KS


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[2019/01/13 09:20] | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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