ガイア・アソシエイツで設計したコシ産婦人科医院リプロダクション(不妊治療)部門の紹介の最終回です。
最後はスタッフ用バック諸室です。 今回の部屋は、患者は入ることができません。 ガイア・アソシエイツのこれらの部屋に対するデザイン・ポリシーは「バック諸室であっても全体コンセプトを通す」です。 例えばこんな風に感じたことはないでしょうか。 レストランは良いのに、パントリーや厨房が見えるとがっかり。 オフィスは良いのに、給湯室や階段室が見えるとがっかり。 ホテルは良いのに、事務室やリネン室が見えるとがっかり。 つまり、客などが行かないバック諸室は、おざなり(壁・天井白いペンキなど)に作るのが通常なのです。 けれど、扉が開いたりして中が見えてしまうことも多いので、「たとえ内装にお金はかけなくても雰囲気を連続させなければ」というのが持論です。 視点を変えると、そこで働くスタッフにとってもインテリアの落差が大きいと気分的に盛り下がるのではないでしょうか。 裏方で働いているんだな~、というムードになってしまうかもしれません。 (昔イタリアのデザイン事務所で働いた時、そこのボスが同様の考えだったので嬉しく思った事を思い出します。 日本では「そんなところ頑張って設計しなくていい」と言われます。) そのあたりにも注意してご覧ください。 まずは培養室です。 卵子・精子・受精卵を育てる場所で、医院で一番重要な部屋でしょう。 外光が卵に当たらないよう窓は無く、最も高い清潔度が要求されます。 従って空調機、換気設備、内装仕上材は特殊な仕様です。 写真中央左はクリーンベンチで、この中での作業はより高いクリーン度が保たれます。 将来、もう一台増設できるようレイアウトしました。 ![]() 次は倉庫で、培養室の付室のような部屋です。 液体窒素などを保管する部屋ですが、簡単な作業もできます。 これらの部屋も、厳しい制約の中、バリ風を維持しようと計画しています。 ![]() 次はスタッフの更衣室です。 多目的に使用できるようになっています。 手洗いもムードがあります。 ここからバリ風が始まるので、スタッフの方々もリラックスしましょうね。 ![]() 最後はスタッフ専用階段です。 普段、スタッフはこの階段を上下します。 ここから上がると、先程のバリ風の更衣室に入ることになります。 この階段室は、扉を開けると1階産婦人科医院待合から見えるので、1階に合わせたデザインにしています。 また、階段は誰が使うにせよ楽しくなければ、と常々思ってデザインしています。 ![]() コシ産婦人科医院リプロダクション部門の紹介はこれで終わりですが、実はこの後3階に全く別のものを設計しました。 改めて紹介いたします。 KS |
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